車を買い替える場合、まず悩むのが車をどう処分するかという疑問ではないでしょうか。新たな車を購入するディーラーやサブディーラーに下取りに出すのも手段の一つです。しかし、下取りよりも買取業者に依頼したほうがより高く売ることができます。しかし、車を買取する業者は数多く存在するので、どこを選べばいいのか迷ってしまいます。せっかく買い取ってもらうなら良い業者に依頼したいところです。
自動車買取業者選びの基本は、買取業者のサービス内容が自分のニーズを満たせるか見極めることです。中には強引に買取をすすめたり、後になって査定額を引き下げたりする悪質な業者が存在します。
買取業者選びを失敗しないためにも、それぞれの買取店がどのような特徴をもっているのか事前にしっかり把握しましょう。
今回は自動車買取業者の選び方、大手と個人店の違いや特徴などについて詳しくお伝えします。
自動車買取業者を決める前に押さえておきたいこと
愛車を高く買い取ってもらうためには、買取業者の選び方が重要です。
買取業者が利益を出すには、車をできるだけ安く買い取り、高値で再販することです。そのため査定額は中古車で再販できる価格から自社の利益と経費を引いた金額になります。自社の利益を削って査定額を上乗せすることはできますが、際限なく高値を付けるのは不可能です。
その点を踏まえて、この金額なら売るという希望価格をあらかじめ決めておきましょう。希望価格が決まっていれば、買取業者の提示する査定額が高いのか安いのか見当がつきます。
ただし、希望価格が相場から高すぎるといつまでたっても売れません。高値がつくのは人気があってコンディションがよく、大きな故障がない車くらいです。目安としては中古車販売価格の7~8割くらいで、9割つけばいいほうでしょう。
自動車買取業者を選ぶ際のポイント
インターネットで相見積もりをする、最寄りの店舗へ行くなど買取業者を選ぶ方法は様々です。しかし何となくで決めてしまうと損をしてしまう恐れがあります。
それは買取業者によって買取価格が異なるためです。以下のポイントを押さえて選ぶといいでしょう。
査定額が高い
車を売却するならできるだけ高く買い取ってもらいたいものです。買取業者によって査定基準が異なるため、査定額にも差が生じます。
査定額が高い・安いを判断するためには、まず売却する車の中古車市場の相場を知っておくことが大切です。インターネットでは年式や走行距離などを入力すると、大体の買取相場を調べられます。
相場を知って、複数の買取業者の査定額を知ることで、高値で売れる業者を選ぶことが可能です。
口コミ評価が高い
よい買取業者を見つけるには、口コミやランキングサイトの評価を参考に、買取業者を選ぶといいでしょう。口コミの評判がよければ信用できますし、逆に悪ければ避けられます。買取業者の評判をみるときは悪い評価だけではなく、良い評価もチェックすることが大切です。口コミ評価の高い買取業者であっても完ぺきではありませんので、どのような点で評価されているのかを知り、メリット・デメリットの両方を把握したうえで選ぶようにしましょう。
買取実績が多い
買取業者によってはホームページなどで買取実績を公表していますので、チェックしておきましょう。買取実績が多いということは、それだけ利用者に選ばれているということです。同車種の買取事例が公開されていれば、ぜひチェックしておきましょう。買取実績が多く、事例も細かく公表されているなら、買取業者選びの参考になるので利用価値は高くなります。
また、買取業者の販売実績にも注目してみましょう。販売台数が多いということはそれだけ回転率よいことを意味します。回転率がよいということは、在庫を増やさなければならず買取にも積極的だといえます。特に人気の車種ならば、多少高値であっても手に入れたいと考えるため、査定額が上がるかもしれません。
出張査定が可能
車を売るとき買取業者へ査定を依頼し、条件が折り合えば必要書類をそろえて契約に進むのが一般的です。査定には店舗へ持ち込んで受ける方法のほかに、希望する場所に査定士がかけつけてくれる出張査定の2種類があります。買取業者を選ぶなら、店舗へ出向かなくて済む出張査定を実施している買取業者が便利です。
複数の買取業者に見積もりをお願いする場合、全業者の査定が終わるまで時間と手間がかかります。そのため、出張査定を行ってくれる業者だと効率的です。
さらに車を売却して新しい車を購入する場合、次の車が納車されるまで車の引き渡しを待ってくれる買取業者なら、さらにおすすめです。
査定士との相性
買取を決めるにあたり、査定士との相性は大切。車についての知識が豊富であることはもちろん、こちらの疑問に思ったことや質問に対して丁寧に説明してくれる査定士なら信用できるでしょう。理解できない減額を提示してくる査定士は相性が悪いと思って、その買取業者は選ばないほうが無難です。査定士との相性は実際に査定を受けてみないとわからないところですので、まず査定を受けてみて、そのときの相性で決めるといいでしょう。
大手と個人店の違いとは
自動車買取店にはビッグモーターやガリバー、アップルといった大手買取業者と、個人店に大きく分けられます。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分のニーズに合わせて対応してくれる買取業者を選ぶことが大切です。
大手買取業者
大手買取業者のメリットは安定したサービスを受けられることでしょう。
マニュアルによるサービス管理
大手買取業者はマニュアルによって従業員や作業の品質を管理しているのが特徴です。接客教育が行き届いているので、不快な思いをするのは少ないでしょう。
また、自動車買取でありがちな買取業者側の名義変更漏れなどが挙げられますが、こうしたトラブルはマニュアルが徹底されているので起きにくいといえます。初めて車を売る場合や安心して車を売りたい場合は大手買取業者であれば安心して手続きを任せられるでしょう。
定期的にお得なキャンペーンを実施
大手買取業者は定期的にお得なキャンペーンを実施しています。テレビCMやネット上の広告で大々的に宣伝しているので、目にすることがあるはずです。
少しでも高く車を売りたいのならこういったキャンペーンを利用してみるといいでしょう。
無料代車サービスといった手厚いフォロー
車を売却した場合、次の車が納車されるまで移動手段がないということも。大手買取業者なら無料代車サービスを提供しています。
個人買取業者
個人買取業者の場合、大手にはない柔軟なサービスを提供してくれる点が特徴です。
柔軟な価格交渉が可能
個人買取業者の場合、社長自ら現場に立っていることが多く、査定交渉の意思決定もスピーディーで柔軟です。大手買取業者でも査定士にある程度裁量を持たせている場合もありますが、相場を超えて価格交渉できるのは個人買取業者の特徴といっていいでしょう。
他のサービスで補填
査定額が他社より低くても、他のサービスで差額分を補填してくれる場合があります。例えば新車購入をした場合、新車のパーツをサービスしてくれるといったところです。
柔軟な対応を考えると個人買取業者を利用するメリットといえるでしょう。
顧客のニーズを考えてくれる
個人買取業者の良い点として、付き合いのある顧客の事情を把握しているところにあります。車の買い替えを検討している場合、一番得な方法を模索して提示してくれるでしょう。
普段からある程度親密な関係ができているからこそできるところで、大手買取業者には真似できない部分です。
車を少しでも買取業者に高く売るには
査定額を上げるためには買取業者とのコミュニケーションを取る際に注意すべきです。買取業者に伝えるべき内容は事前にまとめておくといいでしょう。交渉で査定額をアップする方法を紹介します。
答えてはいけない質問に注意
交渉するに当たり買取業者に話したほうがいい点と話してはダメな点があります。買取業者は顧客の状況や背景を見極めて査定額を決めているため、買取業者にとって都合のいい情報は与えないようにしましょう。
たとえば希望額を聞かれた場合、買取業者はそれ以上の査定額を出さないのが一般的です。売却を急いでいると買い叩いてくる業者も存在します。交渉では常に気を抜かないようにしましょう。
嘘は言わない
査定額を高くしたいからと事故歴や修復歴を隠してはいけません。黙っていても、車の状態を細かくチェックすれば事故歴や修復歴は分かってしまいます。契約後に隠しごとが発覚した場合、減額や契約破棄の可能性があります。
査定時や契約後のトラブルを避けるために嘘は言わないようにしましょう。
買取業者とトラブルになってしまったら
買取業者から相場より低い査定額を提示されたら、他の業者を検討するでしょう。しかし、複数の買取業者に査定を依頼したことで、トラブルに発展する恐れがあり注意が必要です。
一括査定のトラブル
インターネットで複数の買取業者に査定を依頼する一括査定サイトがあります。一度に複数社に査定を無料で依頼できるので便利です。しかし、一括査定サイトを利用したことでトラブルも発生しています。
買取業者は車を買い取って、再販することで利益を得ています。そのため、一括査定の依頼があれば成約したいと考える買取業者から電話やメールによって執拗に営業を受けるかもしれません。
買取業者の営業がしつこい場合は、すでに買取先が決まったことを伝えるといいでしょう。
悪質な業者になると、査定額の減額や代金を受け取る前に車だけを持ち去っていくというケースもあります。買取を決める前に信頼できる買取業者であるか見極めなければなりません。
トラブルが起きてしまったら
事前に予防していても、トラブルを避けられないことがあります。もしトラブルが起きてしまったら一人で対応するのが困難となるため、頼れる相談先や機関を知っておくとよいでしょう。
車の売買にかかわるトラブルの相談先として国民生活センター、JPUC車売却消費相談室、弁護士があります。